MSRの「Hubba Hubba NX」は、世界中のハイカーから絶大な支持を得ている軽量テントです。
「本当にソロキャンプに最適なの?」
「2人用テントをソロで使うメリットって何?」
「雨や風にはどれくらい強いんだろう…」
今回は、そんな疑問に答えるため、実際に3シーズン・15回以上ソロキャンプで使用した体験をもとに、MSR Hubba Hubba NXの実力を徹底レビューします。
この記事でわかること
- ソロで2人用テントを使う「本当のメリット」
- 豪雨や強風の日の「リアルな使用感」
- 他の人気テントとの「具体的な違い」
購入を検討中の方は、ぜひ最後まで読んで、後悔しないテント選びの参考にしてください。
MSR Hubba Hubba NXの基本スペック
まずは基本スペックをサクッと確認しましょう。
項目 | スペック |
総重量 | 1.72kg (ペグ、収納袋など全て込み) |
収納サイズ | 46cm × 15cm |
室内サイズ | 213cm × 127cm × 高さ102cm |
前室エリア | 0.81㎡ × 2(両サイド) |
耐水圧 | フライ:1200mm / フロア:3000mm |
価格目安 | 約60,000円 ~ 70,000円 |
なぜソロキャンプで「2人用」のHubba Hubba NXを選ぶのか?
私がソロキャンプであえて2人用のこのテントを選ぶ理由は、**「圧倒的な快適性」と「悪天候への絶対的な安心感」**にあります。
メリット1:贅沢すぎる居住性
ソロ用の1人用テントは、どうしても「寝るだけ」のスペースになりがちです。しかしHubba Hubba NXなら、バックパックや着替えなどの荷物を全てテント内に入れても、まだ余裕で寝返りが打てます。 この広さが、雨の日の停滞時などに真価を発揮します。
メリット2:機能的な「ダブル前室」
両サイドに出入り口と前室があるのが、このテントの隠れた強みです。
- 左の前室:汚れた登山靴やクッカー置き場
- 右の前室:濡れたレインウェアを干す場所
このように「濡れたもの」と「乾いたもの」を完全に分けて置けるため、テント内は常に整理され、快適な空間を保てます。
[実際に両サイドの前室に荷物を置いている様子の写真]
【体験談】悪天候でのリアルな使用感
設営:初心者でも10分で完了、ただし強風時はコツが必要
設営は色分けされたポールとクリップのおかげで、初心者でも直感的に行えます。
ただし、富士山麓で風速10m/sの中、設営した時は正直苦労しました。 フライが風で煽られて凧のようになり…。いえ、ソロなので(笑)、誰かに押さえてもらうわけにもいきません。
強風時のコツは、まず風上側のペグをしっかり打ち込み、インナーテントを固定してからフライを被せること。これを徹底すれば、一人でも安全に設営できます。
設営のポイントまとめ
- 平常時: 10分もあれば余裕で完了。
- 強風時: 風上からペグダウンするのが鉄則。
- 色分けシステム: ポールとクリップの色を合わせるだけなので、迷うことは絶対にない。
防水性能:ゲリラ豪雨でも浸水ゼロ
奥多摩・雲取山で、夜間に時間雨量15mmの豪雨を経験しました。 正直、雨音で眠れませんでしたが、テント内への浸水は一切なし。フロア(床面)の耐水圧が3000mmと高いので、地面からの浸水も全くありませんでした。
結露対策:ベンチレーションが超優秀
軽量テントの宿命である「結露」も、非常に少ないです。フライの上部と下部に効果的なベンチレーション(換気口)があるため、空気がしっかり循環します。湿度が高い日でも、朝起きて「シュラフが濡れてる…」という事態になったことは一度もありません。
雨天・結露のポイントまとめ
- 防水性: ゲリラ豪雨でも浸水しない信頼性。
- 結露: ベンチレーションを開けておけば、最小限に抑えられる。
- 前室の排水性: 前室の雨水が自然と外に流れる設計が秀逸。
【6ヶ月使用】長期使用での耐久性は?
購入から半年、山岳、森林、海岸など様々な環境で15回以上使用しましたが、今のところ目立った劣化はありません。
- 生地の状態: 撥水性能も衰えず、破れやほつれもなし。
- ジッパー: 驚くほど滑らか。安価なテントとの差が最も現れる部分で、ストレスフリー。
- ポール: 変形や亀裂なし。
- ペグ: 岩場で使ったので数本曲がりましたが、これは消耗品なので問題なし。
特にジッパーの品質は素晴らしく、長期的に安心して使えるという信頼感があります。
他社テントとの比較
同価格帯の競合製品と比べると、Hubba Hubba NXの立ち位置がよく分かります。
項目 | MSR Hubba Hubba NX | Big Agnes Copper Spur | NEMO Dagger 2P |
重量 | 1.72kg | 1.42kg | 1.75kg |
価格目安 | 約6.5万円 | 約7.0万円 | 約6.8万円 |
居住性 | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★★☆ |
設営しやすさ | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
軽さ | ★★★☆☆ | ★★★★★ | ★★★☆☆ |
MSRの優位性
軽さではBig Agnesに劣りますが、「設営のしやすさ」と「居住空間の広さ」では一歩リードしています。頻繁にキャンプに行く人ほど、このストレスの無さが重要になります。
デメリットと実際に困ったこと
もちろん良い点ばかりではありません。
- 重さと収納サイズ: 総重量1.72kg、収納サイズ46cmは、UL(ウルトラライト)志向の方には向きません。実際に40Lのバックパックでは外付けしないと運べず、50L以上のバックパックが必要でした。
- 価格: やはり高価です。キャンプを続けるか分からない初心者の方には、簡単におすすめできる価格ではありません。
【結論】こんな人におすすめ!
おすすめする人
✅ ソロでも広々とした空間で快適に過ごしたい方
✅ 雨や風など、悪天候でも安心してキャンプをしたい方
✅ 初期投資は高くても、一つの道具を長く大切に使いたい方
おすすめしない人
❌ 1gでも軽い方がいい、UL志向のハイカー
❌ とにかく予算を抑えたい方
まとめ:最高のソロキャンプ体験を求めるあなたへ
MSR Hubba Hubba NXは、ソロキャンプ用テントとしては「贅沢品」かもしれません。しかし、その贅沢なスペースが生み出す「快適性」と「安心感」は、一度体験すると他のテントに戻れなくなるほどの魅力があります。
車移動がメインで、少しでもキャンプを快適に、そして安全に楽しみたいなら、このテントは最高の選択肢の一つです。
初期投資は必要ですが、これから何年も続くあなたのキャンプライフを、最高の思い出で満たしてくれるはずです。
▼他の軽量テントとも比較してみたい方はこちら
【2025年最新】ソロキャンプ用軽量テント5選|1kg台で本当に使えるおすすめモデルを徹底比較! – Invest 365
この記事は2025年6月時点での実際の使用体験をもとに作成しています。購入前にはご自身で最新情報をご確認ください。